法制審議会 刑事法(情報通信技術関係)部会 第15回会議 議事録 第1 日 時  令和5年12月18日(月)  自 午前10時57分                        至 午前11時23分 第2 場 所  東京保護観察所会議室 第3 議 題  1 情報通信技術の進展等に対応するための刑事法の設備について         2 その他 第4 議 事 (次のとおり) 議        事 ○鷦鷯幹事 ただ今から法制審議会刑事法(情報通信技術関係)部会の第15回会議を開催いたします。 ○酒巻部会長 本日も御多忙のところお集まりいただきありがとうございます。   本日、池田委員、安田委員、樋口幹事におかれましては、オンライン形式により出席されています。   はじめに、事務当局から、配布資料について説明をお願いします。 ○鷦鷯幹事 本日、配布資料21として「要綱(骨子)案」をお配りしています。配布資料の内容については、後ほど御説明します。 ○酒巻部会長 それでは、本日の審議に入ります。   前回会議の後、配布資料21「要綱(骨子)案」を事務当局に作成してもらいましたので、前回会議でも申し上げたとおり、本日は、これに基づいて、採決も念頭に置きつつ、最終的な詰めの議論を行いたいと思います。   まずは、事務当局から、配布資料21の「要綱(骨子)案」について説明をお願いします。 ○鷦鷯幹事 配布資料21「要綱(骨子)案」について御説明します。   この「要綱(骨子)案」は、前回会議における「試案」についての詰めの御議論を踏まえ、部会長の御指示に基づき、事務当局において、当部会における取りまとめの案として作成したものです。   前回会議での御議論を踏まえた「試案」からの変更点が2点ありますので、御説明します。   まず、「要綱(骨子)案」の1ページを御覧ください。1ページの「2(1)イ」について、前回会議において、電磁的方法による閲覧・謄写の対象となる訴訟に関する書類又は証拠物が電磁的記録として管理されているものであることについて確認するお尋ねがあったことを踏まえ、その旨を規定上も明らかにする観点から、「2(1)イ」の規定ぶりを「刑事訴訟法第40条第1項の訴訟に関する書類又は証拠物がファイルに記録されたものであるときは、電磁的方法によりこれを閲覧し、又は謄写することができるものとする」とするものに改めています。   次に、「要綱(骨子)案」の13ページを御覧ください。13ページの「8(1)」、「1(1)」又は「5(1)」若しくは「5(4)」の命令違反の罰則を、「1年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」と改めました。   これは、前回会議において、罰金の額について、法人に対しても科され得るものであることを考慮すると、罰則としての実効性を十分なものとし、科刑の選択の幅を広げるという観点から、行政法分野における法人に対する調査を担保するための罰則の罰金刑の水準を参考にする余地もあるのではないかとの御指摘があったことを受けて、改めて検討した結果、御指摘のような調査の実効性を担保する他法令の罰則の法定刑との均衡を図る観点や、裁判所による量刑の選択肢の幅を広げる観点から、法定刑の上限を画する拘禁刑の長期は維持しつつ、罰金刑の上限を一定程度引き上げることが適当と考え、300万円としたものです。   配布資料21についての御説明は以上です。 ○酒巻部会長 ただ今の説明内容に関して、何か御質問はありますか。   それでは、「要綱(骨子)案」について議論を行いたいと思います。   ただ今の事務当局からの説明に対する質問も含めて、「要綱(骨子)案」について御意見、御質問がある方は、挙手の上、どの点に関するものかを明示していただいた上で、御発言をお願いします。 ○久保委員 それでは、私から、電磁的記録提供命令について3点質問をさせていただき、その後に意見を申し上げたいと思いますので、まず、質問を1点ずつ申し上げたいと思います。   1点目ですが、電磁的記録提供命令は、これを受ける者が命令又は令状において指定された提供すべき電磁的記録を提供するのではなく、当該電磁的記録に施された暗号やロックのパスワードを捜査官に教える必要があると誤解し、あるいは誤解させられるおそれがあります。電磁的記録提供命令の令状の執行に当たり、そうした誤解を生じさせないことが確保される必要があるのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。 ○酒巻部会長 それでは、事務当局から個別に回答をお願いします。 ○鷦鷯幹事 御指摘の電磁的記録提供命令については、捜査や公判における審理に必要な電磁的記録であって、命令又は令状において提供させるべき電磁的記録として特定されたものの提供を当該電磁的記録の保管者などに対して命じることができるものとするものです。   したがいまして、御指摘のような当該電磁的記録について施された暗号化等の措置を解除するパスワードなどを含めて、その者が記憶する何らかの情報を供述することを命じることができるものとするものではありません。このことは、「要綱(骨子)案」の「1(1)」や「1(2)」及び「5(1)」や「5(2)」の規律の文言からも明らかでございますので、御指摘のような誤解が生じるというようなことはないと考えています。 ○久保委員 ありがとうございます。   2点目の質問をさせていただきます。   通信事業者等の顧客は、通信事業者等が秘密保持命令を受けることにより、自身に関する電磁的記録が捜査機関に提供されたことを直ちに知る機会を、その秘密保持命令が効力を有する限り制限される一方で、命令を発した検察官等にも命令を受けた通信事業者等にも、秘密保持命令を継続させる必要性を吟味して取消しをしたり、不服申立てをしたりするインセンティブはほとんど働きません。そのため、通信事業者等の顧客が電磁的記録が提供された事実を知って不服申立てをする機会が速やかに得られるよう、秘密保持命令を継続させる必要性が定期的に見直されることが確保される必要があると思いますが、この点はいかがでしょうか。 ○鷦鷯幹事 御質問の点についてお答えします。   御指摘の秘密保持命令に関しましては、「要綱(骨子)案」の「5(7)」におきまして、秘密保持命令の必要がなくなったときは、捜査機関がこれを取り消す法的義務を負わせているものです。その法的義務を怠れば違法となることになりますので、その必要性について、捜査機関は不断に検討することとなり、適切な時期に当該命令は取り消されることになります。したがって、御指摘の観点からしても、現在の「要綱(骨子)案」の規律は適切なものと考えています。 ○久保委員 ありがとうございます。   3点目の質問になります。   近年のデジタル社会における個人情報保護の必要性に鑑みれば、電磁的記録の提供を命じたり、電磁的記録が記録された記録媒体を押収したりするときは、被告事件、被疑事件との関連性がない個人情報まで、包括的に裁判所や捜査機関に収集されることができる限りないように特に留意されなければならず、そのことが規範として明らかにされるべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。 ○鷦鷯幹事 お答えいたします。   御指摘の電磁的記録提供命令は強制処分であり、「要綱(骨子)案」にも記載しているとおり、令状主義の下、事前の司法審査に服するものです。その上で、令状に基づく強制処分については、事前の司法審査により被告事件、被疑事件との関連性がある範囲内で処分の対象が特定され、処分自体もその限度で行われるものであることは当然のことです。ですので、その旨明らかにするという規定を新たに設ける必要はないと考えております。 ○久保委員 ありがとうございます。 ○酒巻部会長 では、御意見をお願いします。 ○久保委員 全体についての意見を申し上げます。   今回の「要綱(骨子)案」は、個々の内容については一部賛成できるところはあるものの、全体として見ると、国民の権利利益の保護、実現のために必要な制度を設けない一方で、専ら捜査機関の便宜のための制度を羅列し、憲法上の権利を保護する仕組みを欠くものです。到底賛成しかねると言わざるを得ません。   具体的には、オンライン申立て、オンライン証拠開示など、要綱案全体の一括採決ではなく、個々の制度案の採決であれば、賛成できる余地があります。捜査に必要なIT技術の導入の一般論についても否定するものではありません。   しかし、訴訟書類を電子化し、令状手続を電子化し、勾留質問や弁解録取手続をオンライン化する一方で、被疑者、被告人がオンラインで弁護人等と接見する権利を実現しないことは、著しく不公平です。日弁連も、全国の各弁護士会もオンライン接見の法制化を強く求めてきました。そのため、オンライン接見の法制化をしないことについて、全国の弁護士から多くの強い怒りの声が私の元に届いています。弁護人の援助を受ける権利や防御権は憲法上保障されている権利です。これを後回しにして、必要な予算を捜査機関の便宜に費やそうとすることに対する怒りの声です。必要性自体は否定されるものではない以上、部会が終わった後、速やかに実現に向けて前進していくことが期待されています。   また、電磁的記録提供命令は、捜査機関が刑事罰をもってデータの提供を強制できるようにするものです。今日のデジタル社会では、スマートフォンやクラウドに大量のプライバシー情報や業務上の秘密が保管されていることを考えると、大変重大な問題があります。これは、被疑者、被告人に限らず、国民全てに関係する情報の取扱いの問題ですから、日弁連では、刑事弁護の立場に限らず、様々な立場から広くその危険性を懸念する声が上がっています。   このような制度は、刑事訴訟法制定当時に想定されていなかった権利侵害のおそれを生むものです。被疑事実との関連性のないデータを収集してはならないことは当然の前提になっていることは承知しておりますが、そのことを明確にし、情報の主体にも不服申立ての機会を保障し、違法な捜査により取得されたデータの消去を義務付けるなど、厳格な要件、手続が必要です。そのような修正がなされなければ、捜査機関によって被疑者、被告人だけでなく、弁護人との通信内容が監視されたり、さらには企業、労働組合、報道機関、市民団体、政党などの団体の活動が監視されたりすることとなる危険があるという批判が起こることは避けられないでしょう。人権侵害は小さな穴から始まるものです。広範な情報収集につながる危険は、制度や仕組みによって排除されるべきです。   私は弁護士として日々、日常生活にIT技術を活用しています。しかし、刑事手続については、裁判所や検察官とのやり取りは紙媒体に限られ、検察官が電子データとして収集した証拠についても、紙媒体に印刷されたものが開示されるという、IT技術の活用の度合いが低い状況が続いてきました。私はその経験から、刑事手続のIT化、それ自体には強く期待していました。   それだけでなく、私には弁護士として国家権力から不当に人権を侵害されてきた人たちを、現実にこの目で見てきた経験があります。侵害の対象は、被疑者、被告人だけでなく、被害者は広く国民です。多くの弁護士から、今の日本の刑事司法制度は、国家権力により人権侵害を十分防ぐことができないものと受け止める声を聞いてきました。そのため、私はこの部会での発言に当たっては、これまでの依頼者や全国の弁護士から託された思いを背負って発言しなければならないと考えていました。私は、IT技術は被疑者、被告人、被害者をはじめとする国民の権利利益の保護、実現に資するために活用されるべきと常に考えながら発言をしてきました。このような考えは、刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会による取りまとめ報告書にも合致するものだと信じています。   最後に、私は、この部会での議論の経過についても強い疑問を持っています。この部会は、有識者の集まりとして、捜査機関の便宜ばかりを考慮するのではなく、国民の権利利益の保護、実現、憲法上の権利保護についても十分に考慮することが期待されています。ところが、事務当局から提示された案に対して、委員、幹事から様々な観点からの質問が寄せられるというよりは、むしろなぜか事務当局案を根拠付けるような委員からの説明がなされることが多くありました。反対意見を述べても、特に理由の説明のないまま、案に反映されないことも多くありました。今後、この部会の議事録に基づいて、議論の経過が公正なものであったかについて、一般市民による検証がなされることを期待したいと考えています。 ○酒巻部会長 御意見をありがとうございました。   ほかに、この「要綱(骨子)案」につきまして、御質問、御意見がある方は挙手をお願いします。   ほかにありませんか。   それでは、包括的御意見を承り、ここまでの議論の状況を踏まえますと、本諮問に関する議論は尽くされたように私は考えております。そこで、部会としての意見の取りまとめに移らせていただければと思いますが、その前に是非とも発言しておきたいということがありましたら、お願いします。よろしいですか。   それでは、御意見がないということなので、これから部会としての意見を取りまとめたいと思います。   諮問第122号は、「近年における情報通信技術の進展及び普及の状況等に鑑み、左記の事項に関して刑事法の見直しをする必要があると思われるので、その法整備の在り方について、御意見を承りたい。   一、刑事手続において取り扱う書類について、電子的方法により作成・管理・利用するとともに、オンラインにより発受すること。   二、刑事手続において対面で行われる捜査・公判等の手続について、映像・音声の送受信により行うこと。   三、一及び二の実施を妨げる行為その他情報通信技術の進展等に伴って生じる事象に対処できるようにすること。」というものです。   これを受け、当部会において調査審議を重ねた結果として、本日、「要綱(骨子)案」が示され、これについて、更に御議論、御意見を承ったところです。   「要綱(骨子)案」の「第1-1」から「第3-4」までの各制度は、情報通信技術の進展等に対応するための刑事法の整備という一つの目的のため、一体として機能するものとして審議が重ねられてきたものと理解しております。   そこで、部会としての意見を取りまとめる方法としては、この配布資料21「要綱(骨子)案」の全部を一体として、一括して採決することとしたいと思いますが、このような採決方法でよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 御異議はないと認めますので、「要綱(骨子)案」について、一括して採決したいと思います。   それでは、配布資料21「要綱(骨子)案」を当部会の意見とすることに賛成の委員の方は、挙手をお願いいたします。オンラインで御出席の委員の方は、挙手される場合には、画面上で確認できる形での挙手をお願いいたします。   ありがとうございます。   それでは、次に、反対の委員の方は、挙手をお願いいたします。オンラインで御出席の委員の方は、先ほどと同様の方法でお願いします。   ありがとうございました。   それでは、事務当局から採決の結果を報告してもらいます。 ○鷦鷯幹事 ただ今の採決の結果を御報告いたします。   賛成の委員が9名、反対の委員が1名でした。本日の出席委員総数は、部会長を除きまして10名です。 ○酒巻部会長 ありがとうございました。   ただ今、事務当局から報告がありましたとおり、採決の結果、「要綱(骨子)案」については、賛成多数で可決されました。   当部会の意見としては、諮問第122号については、配布資料21「要綱(骨子)案」のように法整備を行うことが相当であるとして、来るべき法制審議会総会において、部会長の私から報告をさせていただくことになりますが、その内容につきましては、私、部会長に御一任いただくということでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 どうもありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。   この際、事務当局から何かございますでしょうか。   ○松下委員 事務当局を代表いたしまして、一言御挨拶を申し上げます。   委員・幹事・関係官の皆様方には、御多忙のところ、今回の諮問につきまして、全15回、1年5か月にわたりまして熱心に御議論を頂きました。厚く御礼を申し上げます。   また、酒巻部会長には、議事の進行、意見の取りまとめなどに格段の御尽力を賜りまして、誠にありがとうございました。   近年における情報通信技術の進展及び普及の状況等に鑑みますと、刑事手続において、情報通信技術を活用することにより、手続に関与する国民の負担軽減や円滑・迅速な手続の実現に資するものとするとともに、情報通信技術の進展等に伴って生じる事象に対処できるようにするため、刑事法の見直しを行うことは、正に喫緊の課題でございます。   本部会におきまして、委員、幹事の皆様方からは様々な観点から幅広い御意見等を頂戴いたしました。御意見が相違する点もございましたが、活発な議論を経て、皆様方の御尽力により、「要綱(骨子)案」が取りまとめられたことは、大変意義深いことであると考えております。   本日取りまとめていただきました諮問第122号に関する御決定は、今後開催される法制審議会の総会に部会長から御報告を頂きまして、速やかに答申を頂戴したいと考えております。   その上で、法務省といたしましては、法案の立案作業を進め、できるかぎり早期に関連する法律案を国会に提出したいと考えておりますので、委員・幹事・関係官の皆様方には、今後とも引き続き、御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○酒巻部会長 松下委員、どうもありがとうございました。   委員・幹事・関係官の皆様におかれましては、多数回にわたり、精力的に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。   この機会に何か御発言があれば、委員の皆様、幹事の皆様からお願いしたいと思いますが、ございますか。 ○渡邊委員 警察庁刑事局長の渡邊でございますけれども、私からは、警察を代表して一言申し上げさせていただければと思います。   諮問数々ございましたけれども、刑事手続のIT化と表現させていただきますが、今、松下委員からもありましたとおり、正に喫緊かつ新たな課題への対応ということで、本部会において、様々な立場から御意見がございました。取りまとめに御尽力いただきました部会長並びに事務当局の皆様方に、本当に敬意を表したいと思います。   刑事手続のIT化は、関係機関における事務の合理化、効率化にとどまらず、正に国民や社会全体の利益につながる有益なものであると、私どもは考えております。「要綱(骨子)案」に基づく法整備がなされまして施行された場合には、この部会や国会での審議等も踏まえて、適切な運用がなされるように、都道府県警察をしっかりと指導してまいりたいと考えておりますし、また、大前提となりますシステムの構築整備につきましても、課題はいろいろとございますけれども、最高裁判所、あるいは法務省等としっかりと連携をさせていただいて、取り組んでまいりたいと思います。 ○酒巻部会長 渡邊委員、どうもありがとうございました。   ほかにいかがでしょうか。 ○久保委員 裁判員裁判が導入されたことを契機に、裁判員裁判を含む刑事裁判の場は、直接主義、口頭主義、公判中心主義が大きく前進しました。確実に刑事裁判のあるべき姿に近づいたと言えます。   刑事手続のIT化に当たっても、刑事裁判をあるべき姿に近づけることが重要です。刑事裁判の最も重要な目的は、無辜の不処罰です。捜査機関や裁判所の利便性を高めることばかりを考えて、被疑者、被告人の権利制約に無頓着であれば、この目的から離れることになってしまいます。   コロナ禍にオンラインが大きく普及したことで、その利便性を実感する一方で、対面でないと伝わりにくいことがあるということや、気付きにくい生活への悪影響といったものがあることを、誰しもが感じてきたことと思います。対面とオンラインの活用の調和を考える際には、その考えの軸となるような何らかの視点が必要です。それは、刑事手続については、人権保障に欠けるところのない公正な裁判を目指すというものであってしかるべきです。   今後の国会審議などでは、人権保障の観点からの更なる検討がなされること、そして、この法律を使う実務家たちが、易きに流されず、公正な裁判の実現を目指すことを願って、発言を終えます。 ○酒巻部会長 久保委員、どうもありがとうございました。   ほかに、この機会に御発言ございますでしょうか。よろしいですか。   ありがとうございました。   それでは、私からも最後に、一言発言させていただきます。   委員・幹事・関係官の皆様、長期間にわたりまして、新たな制度の設計導入に向けて、御専門の立場から熱心かつ深い議論をしていただきまして、誠にありがとうございました。これまでの審議経過と、本日決定した「要綱(骨子)案」については、一括採決という形式の結果、一部反対の御意見があったことも併せて、法制審議会総会に報告させていただきたいと思います。   一部につきまして御意見の違いはあるものの、将来の日本の刑事司法の健全かつ合理的な改善に向けられた委員・幹事の皆様の大きな方向性と熱意は一致しているものと、議事進行をしながら常に感じていたところでございます。法律の条文、要綱自体には記述されていなくても、この部会における議論の本旨を踏まえて、今後もよりよい運用に向けた専門家相互の創意工夫が進展していくのは、特に手続法の特性として疑いのないところであり、条文それ自体の解釈運用とともに、部会長として、そのような進展を強く期待するところでございます。   また、最後になりましたが、部会の審議を通じて、部会長の要請に応じ、誠実かつ的確に議論の素材となる資料を作成準備していただきました法務省刑事局事務当局の皆様の御尽力に心より御礼申し上げます。   以上、私からの御挨拶とさせていただきます。   皆様、本当にどうもありがとうございました。   本日の会議の議事につきましては、特に公開に適さない内容に当たるものはなかったと思われますので、発言者名を明らかにした議事録を作成して公開することとさせていただきたいと思います。また、今日の配布資料についても、公開することとしたいと思いますが、そのような扱いでよろしいでしょうか。              (一同異議なし) ○酒巻部会長 それでは、そのようにさせていただきます。   以上をもちまして、当部会も終了ということになりました。皆様の御協力に改めて感謝申し上げます。どうもありがとうございました。 -了- - 1 -